バストへのこだわり
脂肪を少しでも多く入れた方がいいのは本当か?
当院では片方に入れる最適な量は、通常200cc程度と考えています。 多くの症例を重ねてわかったことですので、理由を説明しましょう。
セリューションを始めた頃には、当院でもできるだけ多く(片方400cc)の脂肪を入れていました。 皮膚に張りがあるひとは、たくさん入れたにもかかわらず意外に大きくなってくれませんでした。 数か月するとかなり吸収されてしまうのです。
ところが、患者さんのひとりが費用面の理由で、 片方200ccの費用で手術してほしいと言われたのがきっかけでした。 「少ないとそんなに大きくならないよ」と話して実行しましたが、 実際に手術した結果はどうなったと思いますか?
なんと、多く入れるより少ない方が定着率が良かったのです。
それ以来、脂肪注入する量も半分にして、費用も半分ぐらいにするように設定しました。
他院とは、費用対効果の面から、考え方が違うかもしれません。当院では、莫大な広告費はひつようありませんから、患者さんに無理に費用を上乗せする必要もありませんし、費用の設定を無理に高くする必然性はありません。
残念ながら、大は小を兼ねる、というのは、この脂肪注入には当てはまりません。
定着率はどちらがよいのかわかっているのに、無理して多く入れて、お金を稼ごうとは思いません。
クリニックによっては、かなり吸収されるのを見越して、大量に入れることがあるようです。 細胞は、生きていくためには、栄養をもらうための血流が必要です。
セリューションの他の医療機器との大きな違いは、幹細胞を入れて血流を多くして定着率をよくする特徴を持っていることです。 幹細胞は、注入した脂肪細胞経への血流を増やし定着率を高める作用があるからです。
皮膚の伸縮する能力を超えて、限られたバストの空間に脂肪細胞を寿司詰め状に入れたのでは、血流がすべての脂肪細胞に行きわたりません。 ある程度、余裕を持たせた方が定着率がよくなります。 逆に、皮膚がパンパンになるまで入れると、ほとんどの脂肪細胞にくまなく血流が行き届かずに、脂肪細胞が死んで吸収されてしまいます。そのまま吸収されればいいのですが、ひどい場合は、しこりの原因になります。
当院では、無理せずに200cc程度を目途に注入します。 1回である程度の効果がありますから、信じてみてください。
もっと大きくしたということであれば、2回目をすればいいのです。 同じ400ccを入れるにしても、1回でいっきに入れるより、2回に分けて入れた方が定着率がいいのです。
当院では、もし2回目をやりたい場合でも、1回で多く入れる方法と費用が同じになるように設定しています。 患者さんいとっては不利益はないはずです。再度手術しなくてはいけないというデメリットはあるかもしれませんが、 費用面では決して損はしないはずです。
【たくさん入れているクリニックもあるが?】
確かにたくさん入れることもできますが、患者さんを思ってのことです。 多く入れて、すべてが定着してくれるのなら、当院もそのようにしています。
患者さんにとっては、多く入れた分だけ費用がかかります。 すべての人に「多めに入れておきましょう!」となるわけではないですか? 1回でできるだけ多く入れれば、その分クリニックは治療費を多く貰えるわけですよね? それでも費用を抑えて、患者さんに手術してもらうということは?
そして、移植された脂肪細胞に生きてもらうため、 なおかつ血流を少しでも増やすために幹細胞を入れるのです。
ポイント!定着率がよくするためには?
①移植する脂肪細胞は、パンパンに入れる必要はなく、ある程度皮膚に余裕を持たせて注入する。
②かつ、移植された脂肪細胞に栄養がたくさん行きわたるように活性化された幹細胞を混ぜて脂肪注入する。
豊胸に必要な脂肪吸引について
バスト形成する際には、脂肪吸引も必要です。 この脂肪吸引も、決してバストのついでに行うものではありません。 脂肪吸引もある程度経験と年数が必要となります。
医師の中には、
・ただ必要な量だけ取るだけと思っている。
・取りやすい場所からしか取らないからバランスが悪く、ボコボコになることも。
脂肪吸引については、あまり目がいかないかも知れませんが、少し説明したいと思います。
【吸引する場所のキズは多い方がいい?】
もちろん吸引する場所も、患者さんからするとできるだけキズは少ない方がよいでしょう。 特に太ももの脂肪吸引をする場合のケースで考えてみましょう。
通常、慣れている医師だと、前面は2か所、後面は2か所で十分に脂肪吸引することができます。
【慣れていない医師だと?】
特に膝周りは、難しい場所になるので、後輩医師を見ているとどうしても、1か所からできない場合があります。
このようなときは、膝付近に1か所キズが増えることになります。 手術後の悩みの1つとして、他院で行った脂肪吸引後の膝にできたキズを気にされている方も多く見てきました。
ポイント!太ももの脂肪吸引を行う際には、膝回りのキズは余計です。
医者側すると、キズは大きい方がやりやすいですし、キズの穴も多い方が手術がやりやすくなります。 患者さん側からすると、結果が同じキレイであれば、キズは小さい方がいいし、 3,4か所からわざわざ余計なキズは作らなくて済むのなら、1か所のほうがよくありませんか?
【ボコボコにならないか?】脂肪吸引の経験があまりないと、取ることだけに目が奪いがちになります。 脂肪吸引は、どれだけ取るかでなく、脂肪注入に必要なだけ吸引し、いかに皮下脂肪にうまく残すかなのです。 皮膚の直下まで皮下脂肪をギリギリまで吸引してしまうと、見た目、皮膚がギズギズした感じの印象をあたえてしまいます。 理由は、うまく脂肪を残していないからです。
【吸引する領域はバランスよく吸引した方がいい?】
太ももから脂肪を吸引するとして・・・
「脂肪吸引する場所は、お尻付近だけにしましょう。他は取らなくてもいいです」
これ正しいと思いますか?確かに患者さんからすると、取る領域の範囲が狭いから痛みも少なそう、 なんて考えるかもしれません。ちょっと待ってください。たとえば、太もも。ある一部だけから多くの脂肪を吸引してしまっては、 できあがりは、バランスの欠いた太ももになってしまいます。
横から見たら、前面は脂肪が付いている感じだけど、お尻付近はスカスカなんてことにも。
脂肪吸引は、太もも全体から取ることが、バランス的にもよいかと思います。 結構、他院で一部からだけ吸引されて納得されていない患者さんが少なくないです。
自然なバストデザイン
【バスト部への脂肪注入箇所について】
からだに残るキズは多い方がいいでしょうか? もしキズが目立ってしまった場合どうしますか?それも多数の。
まれに、特殊な方法と称して、多数の場所から脂肪を注入するクリニックがあります。 注入部位は、1か所からでも経験があれば、十分にきれいなバストデザインを実現できます。
穴をわざわざたくさん作る必要はありません。 注入する場所のキズは、約5㎜程度ですが、ほとんどの方は、キズは目立たなくなります。 ただし、もしキズが目立ってしまった場合、多数のキズから注入していると乳房付近に何か所もキズが目立っては本末転倒となります。
現在の形成外科の基本は、可能である限りキズを小さくし、余計なキズを少しでも作らないことです。 1か所からだけではできないというのは、脂肪注入の経験があまりないことが理由にもあるでしょう。
経験の浅い医師は、やりやすくするためにキズを長くしたり、多数の場所から行うことが多いのです。 左右各1か所から脂肪注入するのを見たことがない経験の浅い医師であることも理由の1つなのかもしれません。 脂肪吸引を始めた頃(15年前ぐらい)には、バストへの脂肪注入する際に使うキズは、左右各1か所でしたし、数年前に有名なアメリカの美容外科医の手術見学の際にも、やはり乳房への注入する場所は1か所のみでした。キズは少ないにこしたことがないのですね。
ポイント!このことから、バストへの脂肪注入は、1か所だけで十分にキレイにバスト形成できる。
医者側すると、キズは大きい方がやりやすいですし、キズの穴も多い方が手術がやりやすくなります。 患者さん側からすると、結果が同じキレイであれば、キズは小さい方がいいし、3,4か所からわざわざ余計なキズは作らなくて済むのなら、 1か所のほうがよくありませんか?